ワーママの
キャリアプランの書き方
「5年後、どうなっていたいですか」
面談シートを前にして、手が止まっていませんか。
例文を探してこのページにたどり着いた方へ。場面別の例文は後半にまとめています。 ただ、その前に読んでいただきたいことがあります。書けないのは、意欲が足りないからではありません。まだ言葉になっていなくても大丈夫です。
キャリアプランが書けない理由
キャリアプランを書けと言われて手が止まるとき、たいていは次のどれかが起きています。
- 会社のシートには、仕事の欄しかない。実際には、仕事と子どもと家庭が全部混ざっているのに、仕事だけの将来像を書こうとしている
- 数年先の持ち時間が読めない。子どもの年齢、預け先、家族の働き方で、使える時間が変わる
- 「本当はどうしたいか」がまだ言葉になっていない。目の前を回すのに精一杯で、望みを考える時間そのものがない
- 選択肢が「転職する」か「このまま」の二択になっている。実際には、その間にもいくつか道がある
キャリアは、仕事の経歴だけを指す言葉ではありません。本来は、人生全体のことです。そこから仕事だけを切り出して先の計画を書こうとするから、途中で止まります。
書く前に、3つ書き出す
いきなり会社のシートに向かわず、先に自分のための紙を1枚用意します。順番はこうです。
① 家族の年表を書く
1年後、2年後、3年後。子どもは何歳になって、どこに入園・入学するのか。小1の壁はいつ来るのか。パートナーの仕事はどうなっていそうか。家族全員の年齢と、決まっている予定を並べます。
決まっていることは、変えられません。先の予定が見えるだけでも、少し気持ちが落ち着きます。
② 自分はどうしたいかを書く
お迎えには何時に行きたいか。家族とどんな時間を過ごしたいか。会社ではどれくらい評価されたいか、どう思われたいか。どんな自分でいたいか。
仕事のことだけでなく、生活全体で「どうしたいか」を書きます。誰にも見せない紙なので、本音のままで大丈夫です。
③ その「どうしたい」を叶える働き方を考える
時短か、フルタイムか。正社員のままか、パートか、フリーランスか。使えるサポートはあるか。
正解は人によって違います。「○○であるべき」をいったん外して考えます。
会社のシートに書くのは、③のうち、今の会社で選べる部分です。①は前提として添え、②は自分の手元に残しておきます。
運営者がこの順番で自分のキャリアプランを書いたときのことは、noteにまとめています。
→ ワーママ。会社のキャリアプランなんも書けない説。(note)
場面別の書き方と例文
ここからの例文は、会社に見せるプランの形です。無理しすぎず、嘘もない書き方を選んでいます。
育休から復帰した直後
まだ生活のリズムが固まっていない時期です。無理に先の話を書かず、優先順位を書きます。
「復帰後の半年は、業務の勘を戻すことと生活のリズムを固めることを優先したいと考えています。そのうえで下期からは○○に一部でも関わり、復帰前に担当していた範囲まで戻すことを目標にします。」
時短勤務で、仕事の量を増やせない
量で示せないときは、量ではないところで書きます。
「勤務時間が限られているため、担当件数を増やす方向ではなく、○○の精度を上げることで貢献したいと考えています。時間あたりの成果で見ていただける形を、相談しながら作っていきたいです。」
復帰して2〜3年。このままでいいのか分からない
迷っていることを、試す期間つきで書く形です。迷いをすべて書く必要はありません。
「この1年は、○○と△△のどちらに時間を使うかで迷っていました。まずは○○を半年やってみて、続けたいと思えるかを自分で確かめたいと考えています。数年先の姿は、そのうえで決めたいです。」
異動や転職が頭をよぎっている
社外のことを書く必要はありません。社内で試せる範囲に言い換えます。
「現在の業務は続けたいと考えていますが、○○の経験が積める機会があれば挑戦したいです。異動を希望するかどうかは、今期中に判断したいと思っています。」
正直、何も決まっていない
決まっていないことを、期限つきで書く形です。本音をそのまま出しにくい職場でも使えます。
「正直なところ、数年先の姿はまだ描けていません。今は○○の業務で時間あたりの成果を上げることに集中し、半年後にあらためて考えたいと思っています。」
本音のプランと、会社に見せるプランは分けていい
②で本音を書いてみると、「これは会社には言えない」と感じることがあります。そのときは、心の中の本音のプランと、会社に見せるプランを分けて考えて構いません。
本音を受け止めてくれる職場なら、本音のまま書けばいい。そのほうが、本当は苦しくありません。言いにくい職場なら、本音は自分の中で大切にしておき、会社には伝わる言葉に置き換えて出します。
会社に出すシートは、あなたの人生のすべてを書く場所ではありません。働きやすくするための道具、と割り切って大丈夫です。大事なのは、先に一度、自分の言葉で本音を書いておくことです。それがあれば、会社向けの言葉にしても、自分の軸はぶれません。
それでも、言葉が出てこないとき
②の「どうしたいか」と言われても、それさえ言葉に出てこない。そういうときは、決められないのではなく、 今の状態に名前がついていないことが多いです。時間に追われているのか、評価されないことに引っかかっているのか、 家庭とのやりくりで手一杯なのか。混ざったままだと、どれについて考えればいいかが決まりません。
moyahareでは、そこを分けるための10問の質問を用意しています。登録も入力も不要で、回答は送信されません。約2分です。 答えを出すものではなく、今の状態に名前をつけるだけのものです。名前がつくと、考える順番が見えてきます。
よくある質問
本音を書いたら、上司に困ると言われました
本音を受け止めてくれるかどうかは、職場によって違います。言いにくい職場なら、本音は手元に残し、会社には伝わる言葉に置き換えて出して構いません(「本音のプランと、会社に見せるプランは分けていい」の節)。本音を書いたこと自体が間違いだったわけではありません。
「特にありません」でもいいですか?
空欄よりは良いのですが、面談は話すきっかけとして使われることが多いので、「今は決められない。理由は◯◯」まで書くほうが話が進みます。決められない理由を書くのも、立派な回答です。
昇進したいと書かないと、評価が下がりませんか?
評価の仕組みは会社ごとに違うので、こうすれば大丈夫とは言えません。ただ、書けることを無理に大きくすると、面談で深く聞かれたときに続かなくなります。今できる範囲で具体的に書くほうが、結果的に伝わりやすいです。
転職を考えていると書くべきですか?
書く必要はありません。キャリアプランのシートは、社内での役割や配置を決めるための書類です。社外のことは、社内で試せる範囲の言葉に置き換えて構いません。
毎年同じことを書いてしまいます
状況が変わっていないなら、同じで大丈夫です。気になる場合は、前回から変わった前提(子どもの学年、勤務形態、担当業務など)を1行足すと、同じ内容でも意味が変わります。
ひとりで整理しきれないときは
シートに書く言葉を、一緒に探すところから始められます。まとまっていない状態のままで大丈夫です。決めてから来ていただく必要はありません。